エモエモ日記 #9 「ブアナイワツカ」
- 岩塚光希
- 2018年11月29日
- 読了時間: 2分
木曜日だ。
今週もブログがある。
今のところ、何も書けていない。
正確には、書くことは浮かんでいたけど、書く時間が足りない。
あと気力も足りない。
何故か足りない。
なんでブログなんか書かなきゃいけないんだ。
今ブログで発信したいことも無ければ、発信する時間もない。
言い訳している時間も惜しいくらいに時間がない。
そういえば、いつも時間が足りないと感じている気がする。
本当に時間は足りていないのだろうか。
「本当に時間は足りていないのか?」
バス停に居た、恰幅の良い狸が声を掛けてきた。
「昨日空いてる時間にでも書けたんじゃないのか?」
狸の顔に、暇を持て余していると書いてあった。
昨日のことを思い返してみた。
昼頃にスガキヤラーメンを食べていた。
僕はラーメンを食べるのに忙しかったんだと答えた。
「なるほど。じゃあしょうがないな。」
狸の顔には、じゃあしょうがないなと書いてあった。
狸なんかと乗り合わせるのが怖かったので、バスを一本見送った。
しかし、書く時間が無いなら無いで、何か書かないといけない。
再び苛立ちが募る。
なんでブログなんか書かなきゃいけないんだ。
「一昨日は?」
バス停に居た、痩せた狸が声を掛けてきた。
「一昨日なら時間が余りに余っていたんじゃないのか?」
狸はコンクリートで爪を研いでおり、顔には、暇を持て余していると書いてあった。
狸に爪を研ぐイメージは無いので、狸じゃないのかもしれない。
一昨日のことを思い返してみた。
ラの壱ラーメンを食べていた。
僕はラーメンを食べるのに忙しかったんだと答えた。
「なるほど。じゃあしょうがないね。」
狸は爪が丸くなるまで研いでいた。
それを眺めているうちに、また一本バスを見送ってしまった。
「3日前は?3日前の空いてる時間に書けたんじゃないのか。」
バス停に居た、毛の焦げた狸が声を掛けてきたが、僕は無視をした。
昨日に時間が無いなら、一昨日も時間は無い。
一昨日に時間が無いなら、3日前にもあるわけがない。
つまり、常に時間なんか無い。
ブログなんか書く必要がない。
「気付いた?」
誰かに言われた。
「君には時間が無い。ブログを書くには時間が掛かる。君はブログを書くべきじゃないんだよ。」
目当てのバスがやってきたが、僕は乗らなかった。
また来週、乗り過ごさなければ大丈夫。
大丈夫だと思っている。
大丈夫です。

大丈夫です。
Comments